避妊手術を実施していない女の子のわんちゃんを飼育されている方の中には偽妊娠による様々な症状にどのように対処すれば良いのか、動物病院を受診した方が良いのか・・・と悩まれている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、偽妊娠による様々な症状にどのように対処していけば良いのか、またどうすれば防ぐことができるのかをお伝えします。
記事を読んでいただくと愛犬に偽妊娠の症状が出たときにも慌てずに適切な対処ができるようになります!
偽妊娠はなぜ起こるのか?
偽妊娠とは避妊手術を行なっていない女の子のわんちゃんが妊娠していないにも関わらず、ホルモンにより体が妊娠したと勘違いし様々な症状を起こすことを言います。
避妊手術を行なっていない犬は年に2回ほど発情があり、偽妊娠は発情後3~8週間に見られます。
発情周期の中でプロゲステロンが低下しプロラクチンが増加します。このプロラクチンの増加により偽妊娠が起きると言われています。
妊娠するとプロゲステロンという妊娠維持に必要な女性ホルモンが分泌されます。犬の場合は妊娠していなくてもこのプロゲステロンが活発に分泌されることがあり、プロゲステロンの分泌が低下したころに、プロラクチンという乳腺を刺激するホルモンの分泌が活発になり、その影響で体や行動に変化が起こります。
偽妊娠の症状
偽妊娠の症状は様々で
・乳腺の発達
・乳汁が出る
・巣作り行動
・玩具の保護行動
・攻撃的になる
・食欲、元気の低下
などがあげられます。個体差があるので症状の発現の強さもその子によって様々です。
偽妊娠になると何がダメなの?
偽妊娠自体は生理的な現象であり、ほとんどのケースでは時間が経つと症状が治まっていきます。ですが発情の度に偽妊娠を起こすことによって精神面での愛犬へのストレスに繋がったり、一緒に暮らす家族にとっても負担になってしまうことがあります。
身体的な負担
偽妊娠になると乳腺が発達し、乳汁が分泌されることがあります。そうすると乳腺が熱を持ったり痛みを持ったりする乳腺炎を起こしてしますことがあります。そうすると炎症を抑えるような治療が必要になる場合があります。
精神的な負担
また精神的にも攻撃的になったり落ち着かなかったりと、わんちゃんにとっても一緒に生活する家族にとっても問題となる行動が出てしまう場合があります。
偽妊娠の予防
偽妊娠は未避妊のわんちゃんであればどの子にも起きる可能性があり、予防方法は避妊手術になります。
偽妊娠自体は生理的な現象であり、ほとんどのケースでは時間が経つと症状が治まっていきます。ですが発情の度に偽妊娠を起こすことによって精神面での愛犬へのストレスに繋がったり、一緒に暮らす家族にとっても負担になってしまうことがあります。
でも避妊手術ってなんだか怖い・・・と思われる飼主さんもいらっしゃると思います。避妊手術のメリットデメリットに関してこちらの記事で詳しくお話ししています↓↓
偽妊娠かな?と思ったら
偽妊娠の症状が犬の健康を害するものであったり、家族との生活のなかで特に問題が生じてない場合、特に治療の必要はないと言われています。
ほとんどのケースでは時間が経つと症状が治まっていきます。
動物病院の受診をお勧めするケースとしては
①妊娠の可能性がある
まず本当に妊娠している可能性がないかどうか考えてみましょう。妊娠している場合は胎児や母体に対する検査が必要になりますので、発情期に未去勢の雄犬との接触がなかったかどうか考えてみましょう。
②乳腺炎など、治療が必要な場合
偽妊娠になると乳腺が発達し、乳汁が分泌されることがあります。そうすると乳腺が熱を持ったり硬くなる、痛みが出るというような乳腺炎を起こしてしますことがあります。そうすると炎症を抑えるような治療が必要になる場合があります。
乳腺が熱を持っていたり、汚い色の乳汁が出ていないかなどチェックしてみてください
③家族との生活に困難が生じてしまっている
偽妊娠の症状として玩具の保護行動(おもちゃを赤ちゃんのようにお世話をする)などがみられる場合がありますが、取り上げようとした家族に噛みついてしまったり、攻撃的になり一緒に暮らす家族との間に問題が出てきてしまう場合があります。そのような場合もぜひ動物病院を受診して相談されてみてください!
上記以外にもいつもと違う愛犬の様子に少しでも不安に思われたら動物病院を受診されてください!
『こんなことで動物病院を受診していいのかな?』『動物病院は忙しいそうだからこんなことで受診したら嫌な顔されるのでは・・・?』と不安に思う方もいらっしゃるかと思いますが、小さなことでも気兼ねなく相談できる動物病院を見つけておくのもいいのではないでしょうか!