こんにちは Minami です
心電図シリーズもpart③となりました!ここまでは心臓の形態や働きなど心電図検査の基礎となる部分を勉強してきました。ここまで理解できたら、今日は心電図波形について詳しくみていきましょう!
動物病院での心電図でみなさんが最も馴染みがあるのが手術・麻酔中のモニター心電図ではないでしょうか😄心電図は本当に奥が深くて全部覚えるのって難しいですよね・・・なので今日は資格試験勉強に役立つポイントと、モニター心電図モニタリングのポイントに絞って一緒に勉強していきましょう!
前回までのポイント
心電図検査には様々な種類があります。まず標準四肢誘導の仕組みを覚えましょう!
標準四肢誘導ではアイトーベンの三角の原理を用い 双極誘導 (Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)・単極誘導 (
aVR・aVL・aVF)計6誘導記録できる
手術・麻酔中に使用されることが多いモニター心電図は標準四肢誘導のⅡ誘導に相当します
心電図の基本的用語
心電図とは心臓の電気的活動を体の表面から記録したものです
心筋が電気的に興奮して活動することを脱分極と言います。
心筋が興奮から覚める(脱却)、興奮(脱分極)から元に戻ること再分極と言います
脱分極:放電 再分極:充電
静止状態(分極)は心電図上では基線となります
心電図の基本波形は P波 QRS T波 ST部分です。各波形の意味をみていきましょう!
心電図の波形
心臓の電気的興奮は 洞結節→心房筋(右→左)および結節間伝導路・バッハマン束→房室結節→His束→右脚及び左脚→プルキンエ繊維→心室筋 の順に伝わっていきます
P波 | 心房筋の興奮(脱分極)を表す |
QRS | 心室筋が興奮(脱分極)を表す |
T波 | 心室再分極層 心室筋の興奮が冷める時間帯 |
ST部分 | 心室脱分極から再分極へ移行する時間帯 |
R-R間隔 | 心室筋が興奮する間隔を反映 |
P-R間隔 | 心房筋の興奮が心室筋に伝導するまでの時間を反映 |
Q-T間隔 | 主に心室筋の興奮が冷める間隔を反映 |
P波:P波は心房筋の興奮(脱分極)を表します。心房には右房と左房があるのでP波は右房と左房の脱分極が融合した形です
QRS:心室筋の興奮(脱分極)を表す。心室には右室と左室があるためP波と同様右室と左室の脱分極が融合した形です
T波:心室の再分極を表す。心室は辛抱と比較して心筋が厚いため起電力が大きく、脱分極から再分極する過程で心電図上で記録されます
ST部分:心室での脱分極から再分極への移行する時間帯をいう
★正常な電気的興奮の流れ
★電気的興奮の伝わりと波形の意味
この2つは試験にもよく出題されます。合わせて覚えておきましょう!
いかがでしたでしょうか?
私も日々の業務で毎日のように手術・麻酔中のモニター心電図や心臓の精査や健康診断時に標準四肢誘導心電図検査に携わってきましたが、長いこと心電図の種類や違いについてはあまり深く考えずに業務をおこなっていました。
ですが不整脈について勉強したり、後輩や学生の指導にあたる上で心電図の基礎の部分をしっかり理解することが大切だと気づきました!国試勉強に励んでいる皆さんにとっても大切な部分になると思います!
基礎の部分が理解できると、不整脈の種類などもグンと頭に入りやすくなること間違いなしです✨
私が読んでとてもわかりやすかった本を一つ紹介します!すごくわかりやすく犬猫の心電図の基礎〜重要な不整脈まで解説されています!おすすめです!是非読んでみてください🤗